どんぐりはなんの木?名前の由来と育て方をご紹介!
秋になると、公園や山で紅葉を眺めるだけでなく、丸くて可愛らしいどんぐりに出会い季節の移り変わりを感じることができます。
このどんぐりって、木の実ですが、この木は一体どの種類の木なのでしょうか?
「どんぐり」という名前の木は聞いた事がないですよね…。
実は結構身近な見たことがある木にどんぐりができるんですよ。
聞き慣れた名前ですが、このどんぐりという名前はなぜつけられたのか、知っていますか?
道端に転がっているどんぐりを拾って、家で簡単にどんぐりの木を育てたりできるのでしょうか?
どんぐりについてちょっと知りたい事について、ご紹介します。
どんぐりってなんの木?実はたくさんの種類が!
どんぐりはブナ科の果実のことです。
もう少し詳しくお伝えすると、どんぐりは栗・ブナ・イヌブナ以外のブナ科の果実(カシ・ナラ・カシワなど)のことを指します。
ミズナラ・コナラ・クヌギ・アベマキ・カシワ・マテバシイ・シラカシ・アカガシ・ウバメガシ・ツクバネガシなど、ひと口にどんぐりと言っても色や形がさまざまです。
どんぐりそのもの(堅果)の形が丸いもの、細長いもの、立体的、平面的、色は黒や黒褐色、茶褐色、淡褐色などがあります。
どんぐりの帽子(殻斗)にも色々な形がありますよね。
どんな形があるのかというと、トゲトゲ、チューリップ、ウロコ、シマシマで、分厚かったりペラペラで薄いものもあり、殻斗に毛がびっしりと生えているものもあるんです。
道端に落ちているどんぐりがどの木からやって来たのか探すのも楽しいです。
どんぐりは、種類によって落ちてくる時期が違うのを知っていましたか?
秋になったら全てのどんぐりがいっぺんに成熟するのではないんです。
木の種類別に順番にどんぐりが落ちてくることで、山の生き物たちが食べ物に困ることなく、どんぐりの元の木の本来の目的「歩けない木が他の生き物に種を遠くまで運んでもらえる事」も、くまなく果たせるのです。
どんぐりの名前の由来は?古い言葉から!
どんぐりの名前の由来には、「トチグリ(橡栗)」がなまったもの、ダングリ(団栗・クヌギの実)の事など諸説あるようです。
このような木の実は昔から独楽(コマ)にして遊んでいた事から、独楽の古い呼び名「ツムグリ」が「どんぐり」と変化して呼ばれるようになったというのが有力なようです。
古い言葉である「ツムグリ」の「ツム」は、回転するという意味で、「クリ(グリ)」は石の事です。
同じ日本語で、意味は似ているのに、長い年月を経て時代が変わると発音も変化しているのが面白いですね。
他に、円い形のどんぐりの語源はアジア諸国の言葉から来ているという説もあって、朝鮮語の「トングルダ(円い)」、蒙古語の「トグリク(円い)」「トグロ(円い輪)」という言葉が挙げられています。
時代による変化だけでなく、近くの国の言葉に影響されているかもしれないという説があるのは、日本に昔から国同士の交流があったと考えられ、興味深いです。
どんぐりの木の育て方をご紹介!意外と簡単
まずは、どんぐりの木の元になるどんぐりを探しましょう。
どんなどんぐりが適しているかというと、割れや穴のあるものを避けて、実が固く重みのあるものが良いです。
発芽しないどんぐりもあるので、植えたいと思う本数の3倍くらいの数のどんぐりを集めましょう。
拾ったどんぐりを植える前に、1〜2日水につけます。
水につける事で、どんぐりの中に虫がいたとしても死んでしまうので安心です。
水につけた時に浮くものではなく、沈んだどんぐりが発芽するのに適しているので、沈んだどんぐりだけを使いましょう。
鉢やプランターに鉢底石と土を敷いて、2〜3cmの深さの穴を掘って水につけた時に沈んだどんぐりを横向きにして植えます。
鉢なら、どんぐりを2〜3個、プランターなら、どんぐり2〜3個を15cm間隔で植えることができます。
植えたどんぐりの上に土をかぶせて、表面が乾かないように枯れ葉や腐葉土をかぶせ、半日陰に置きます。
どんぐりの木が育っている環境も、森や林の落ち葉がたくさんあって、土は乾ききっていなくて少し地面が湿っている事を思い出してもらえば、水やりの参考になりますね。
土の表面が乾かないうちに4日おき位に水やりをします。
春になって発芽したら、植え替えをしたり、あまり成長しない苗を間引くと良いです。
大きく育ててみたいと考える場合は、庭に地植えする事も可能ですが、根がしっかりと張ってしまい家の土台にまで到達してしまう恐れがあるので、鉢植え・盆栽にして育てる方が安心です。
まとめ
散歩をすると必ず足元に転がっているどんぐりがここまでたくさんの種類があるなんて驚きでした。
どんぐり(堅果)も、どんぐりの帽子(殻斗)も、どんな色や形なのか目が離せません。
これからは、地面を眺めてどんな木のどんぐりが落ちているのか調べるという楽しみが増えました!
また、種類によってどんぐりが順番に地面に落ちていってムダなく広まっていくという、自然のシステムに感心してしまいました。
最後に成熟するのは、一番美味しいシイ類のどんぐりなのだそうで、動物たちもどんぐりシーズンの終わりまで美味しい「食欲の秋」を過ごしているのですね。