富士山はいつからあるの?昔の名前はなに?なぜ青い?
日本と言えば「富士山」と答えてくれる外国の人がいる位、日本を象徴する山、富士山。
富士山は、日本で一番高い山でもあります。
また、その姿は美しい長楕円の円錐形をしているので、高さも姿形もすばらしく、古くから多くの人を魅了し続けています。
この富士山は、一体いつからあるのか知っていますか?
また、古くから呼ばれた呼び名は「富士山」だけではなかったようなのですが…気になりますね。
遠くから眺める富士山は、青く見えますよね。
それは何か富士山には特別な事情があるのでしょうか?
そんな富士山について、詳しくご紹介します。
富士山はいつからあるの?1万年ほど前から
今そびえ立っている富士山は、初めからこのような美しい山の形をしていた訳ではありません。
富士山は愛鷹山(あしたかやま)、小御岳(こみたけ)火山、古富士火山、新富士火山と、長年に渡っていくつもの山が火山活動することによって成り立っています。
その中の一つ、小御岳火山は10万年以上前に火山活動が止まっていると言われています。
小御岳火山が噴火していた時期には、近くにある愛鷹山や箱根山も同じように噴火して、周囲にたくさんの噴出物が積もりました。
日本にあるほとんどの火山は数十万年前から、100万年前に活動していたそうなので、富士山を形成している火山は一番古い小御岳火山でも10万年前ということで、比較的新しい火山なのです。
また、古富士火山は今の富士山の基礎となっていて、約10万年前から約1万年前の間に活動していたようです。
新富士火山は、約1万年前頃(縄文時代初期)から、江戸時代の宝永の噴火があった1707年までの間に100回超の噴火を繰り返していました。
今の富士山は、この新富士火山が火山活動を始めた、1万年前からあるのです!
何回も噴火を繰り返すことによって、山の形が崩れたり整ったりしながら、現在のようなキレイな形の富士山が出来上がったのです。
富士山の昔の名前はなんて言う?たくさんの名前!
富士山は、今の「富士山」という漢字だけではなく、他の字で表現されていたこともありました。
かつて呼ばれていた名前をご紹介します。
『不二山』と呼ばれていて、「他と比べられないようなオンリーワンの高い山」といった意味が込められています。
『不尽山』という呼び方は、万葉集にも「不尽」と使われていて、夏でも富士山の山頂には雪が絶える事がないと形容されていたことを示しています。
実際には、夏には富士山には冠雪していないのですが、それ程山のスケールが大きいために雪も尽きることなく多い、と考えられていたのでしょう。
同じく万葉集には、富士山の事を『布士(ふじ)』、『布自(ふじ)』と呼んでいる箇所があるようで、これは万葉仮名が当て字である事もあるので、同じように富士山の事を指していたようです。
『不死山』という呼び方もあって、これは不老不死の伝説からきているそうですよ。
富士山は実は、『福寿山』(めでたい山という意味)からなまった呼び方という説や、『富滋山』(これも縁起が良い漢字が使われています)から転じているとも言われていましたが、当て字と考えて良いでしょう。
これだけたくさんの呼び方をされていた富士山は、昔から多くの人々に愛され、尊ばれていたのですね。
今のように、『富士山』(士に富む山、という意味)と呼ばれるようになったのは、鎌倉時代より後なのだそうです。
富士山はなぜ青い?空気が関係している!
富士山をイラストで見ると、多くの富士山は青く色付けされています。
青くて神秘的な富士山は、すでにみなさんのイメージとなっているのではないでしょうか。
富士山はなぜ青いのでしょうか。
人は、目で物を見る時に、見ている物の表面から届く光から色を認識しています。
例えば、近くにある山を眺めると、見たままの木の緑や、山肌の土を見て茶色だと認識します。
では、遠くにある山はどうでしょうか?
遠くの山を眺めたことはありますか?
近くの山よりも、遠くの山を見る時に影響を与えるもの…それは空気です。
空気は、特に青い光をはね返すので、遠くにあればあるほど間に存在する空気の量が多くなる為に、人は青い光を多く認識しやすくなります。
つまり、遠くにある山・富士山が青いのは見る人と富士山の距離が遠いからなのです。
今いる場所から近い山が木の葉で緑色に見えていても、その山から遠く離れて見ることがあれば、やはり空気の働きで青く見えるのです。
富士山は、標高が高い山なので、所在している静岡県と山梨県以外の場所からでも見る事ができて、そうなるとかなり遠い場所から眺めることになるので、「富士山は青い」と感じる人が多いのですね。
まとめ
噴火を繰り返して、現在のように美しい形となった富士山には、昔から親しまれたということで、ステキな呼び方がたくさんありましたね。
いくつもの当て字などの名前には、それぞれに富士山への尊敬や憧れが込められていました。
今では「富士山」という表記と呼び方だけが残されていますが、古い呼び方もなかなか良い物だなぁと感じました。
言葉を自在に操る、いにしえの人々は優雅だったのでしょうね。
富士山が青いのは、空気の働きが関係しているということも、興味深いです。
近くで富士山を見て見たくなってしまいまいした。