なぜ先進国で少子化が進むのか?海外少子化対策の失敗例と日本の成功例
なぜ先進国で少子化が進んでいるのか
それは、先進国で晩婚化や未婚化が進んでいるからです。
さらに、日本だけではなく世界でも、合計特殊出生率が下がっていることが、少子化が進む原因になっています。
合計特殊出生率とは、一人の女性が生涯に出産する子どもの平均人数です。
晩婚化や未婚化が増えた理由
発展途上国では、飢えずに生活することが優先で、子どもが家族の仕事を手伝う場合もあります。
ゆえに、子どもにかける教育費や養育費が低くなると考えられます。
反対に先進国では、子どもにかける教育費や養育費の割合が高くなっています。
結婚して子育てをするためのお金に、不安を感じる場合があるでしょう。
少子化の原因 | 晩婚化 | 未婚化 | 出生率の低下 |
理由 | • 結婚資金がない • 良い相手と出会えない • 独身生活が気楽 |
• 結婚や出産の費用の増大 • 女性の就業率の高まり |
• 核家族化の増加 • 孤立した育児への不安 |
結婚や出産、育児にかかる費用の不安
生活のために、結婚や出産後にも働きたいと考える女性が増えています。
女性の就業率が上がり、結婚や出産のタイミングが遅くなることが、晩婚化の理由にあげられます。
核家族化で孤立した育児へ
女性の就業率が上がり共働きが増えると、仕事と家事や育児の両立ができるかも心配になりますよね。
最近では、核家族化が増えているので、夫婦二人で仕事と家事や育児をすることも多くて大変です。
子供は1人で精一杯と考える場合もあり、出生率の低下につながります。
結婚に対する価値観の変化
結婚や子育てにはお金がかかるし大変そうだから、独身で過ごした方が気楽でいいなと考える人もいるでしょう。
また、結婚したいと思える人になかなか出会えないなどの理由から、未婚率が上がります。
少子化対策をチェック
- 出産育児一時金
- 産休、育休制度
- 児童手当
- 地域の子育てサービス
現在は、晩婚化や未婚化が進んでいますが、その不安を軽減させてくれる少子化対策もたくさんありますよ。
気になる方は、お住まいの市町村に問い合わせてみてくださいね。
海外での少子化対策の失敗例とは
社会全体で、子どもを育てやすい環境作りがされていない国の少子化対策は、失敗例としてあがることが多いです。
この記事では、ドイツとフランスの少子化対策を例に、どんな対策が失敗例につながりやすいのかを紹介します。
ドイツの少子化対策
児童手当て | ・子どもが18歳になるまで、第1子から支給される ・日本の児童手当にあたる制度 |
両親手当て | 日本の育児休暇にあたる制度 |
ほかにもさまざまな対策がありますが、ドイツの少子化対策は、現金での給付や減税の対策が多くの割合を占めています。
フランスの少子化対策
出産費用 |
出産にかかる費用は全額無料 |
職業方法自由選択補助手当て |
労働の時間を個人で選ぶことができる |
現金での給付はもちろんですが、子育てしやすい環境を作る目的の政策が多い印象です。
子育てにはお金がかかりますから、現金を支給されたらとてもたすかりますよね。
しかしそれ以上に、社会全体が子育てしやすい環境であるかどうかが重要なんです。
ドイツだけに限らず、現金給付や減税対策ばかりが多い国の少子化対策は、失敗例としてあがることが多いです。
逆に、現金給付以外に、子育てがしやすい環境を、社会全体で作っていくための政策が多い、フランスなどの国の少子化対策は、成功例といわれます。
つまり、誰もが安心して出産や子育てができるように、社会全体に働きかけることを目的にしていない少子化対策は、失敗例につながりやすいといえます。
日本での少子化対策の成功例とは
それは、「奈義町子育て応援宣言」という少子化対策の成功例があります。
岡山県奈義町が、2012年に「子育てするなら奈義町で」というキャッチフレーズを掲げ、子育てを応援するために宣言し、本格的に支援強化に乗り出したものです。
「奈義町子育て応援宣言」には、次のような支援策があります。
- 不妊治療の助成
- 出産の祝い金
- 妊婦・乳幼児健診
- 乳幼児・児童・生徒の医療費助成
- やすらぎ福祉年金
- 保育料多子軽減
- 在宅育児支援手当
- 病児・病後児保育
- つどいの広場『ちゅくしんぼ」
- 子育てサポート『スマイル』
- 高等学校就学支援
これらが、奈義町の主な子育て支援策です。
こういった支援の強化で、町が独自に試算したところ、2014年の出生率は2,81という非常に高い合計特殊出生率を達成いたしました。
しかも、全国1位の鹿児島県徳之島にある伊仙町と同じ出産率となりました。
2015年には、2,27、2016年には1,85と、2年続けて2014年を下回りましたが、高い数値を記録しました。
岡山県が独自に計算した合計特殊出産率も、2011年から5年間の間に1,98に達していて、県内ではずば抜けて高い数値を出しました。
高齢者からは、『子育てに予算を使い過ぎだ』との批判も出たことがありますが、2016年に高齢者向けの予算を削減していないことをデーターで示したことによって、理解を得ました。