ジョブ型雇用はいつから?対義語は何?これからどうなる?
ジョブ型雇用とは、企業が求める仕事内容に関して、企業の仕事に適した能力や経験がある人を選別して雇う方法の事です。
日本の企業での新卒採用では、今まではこのようなジョブ型雇用はあまり行われていなかったですね。
日本では、新卒者に研修を受けさせて、そこから適性を見出して仕事を与えていくというメンバーシップ型雇用がほとんどでした。
ところが、ここ最近ではジョブ型雇用が注目されるようになってきているのです。
日本では、ジョブ型雇用はいつから実施されているのでしょうか?
これからジョブ型雇用は働く環境を変えていくことになるのでしょうか?
ジョブ型雇用について、詳しくご紹介します。
ジョブ型雇用っていつから?変化の激しい今!
今までの日本では、一度就職したら退職するまで同じ会社で働き続けるという終身雇用の考えが主流でした。
同じ会社で働き続けるという前提で採用されてから、研修などを経て適性を判断し、その後部署が決まって…と社員を育てていく様式でした。
ところが、社会全体のグローバル化によって、今までのやり方では海外の会社と競争することになった時に必要な人材を確保するのに間に合わなかったなど、従来の雇用スタイルが時代と合わなくなってきていたのです。
また、近年の「働き方改革」で、長時間労働を廃止しようとする動きがあり、業務以外の仕事を削減して専門分野のみの仕事に集中するという働き方が注目されています。
日本では少子高齢化によって、労働力不足が問題になっています。
介護や育児で離職を余儀なくされた、本来であれば労働力であったはずの人たちの受け入れに関しても、工夫を求められています。
世界的に変化を求められている現代では、今まで以上に多様な価値観のある労働者が必要になってきています。
そうなると日本国内だけではなく、世界中から能力のある人材を集めたいですね。
多様な価値観の人々には、日本で実施されている従来の採用方法よりも、海外で多いジョブ型雇用の方が受け入れやすいと考えられているようです。
経団連(日本経済団体連合会)は、2020年1月の提言でジョブ型雇用の導入を推奨しています。
変化に柔軟に対応できる、優秀な人材を集められる事が期待されます!
ジョブ型雇用の対義語は何?日本型雇用とも呼ばれている!
ジョブ型雇用の対義語はメンバーシップ型雇用といいます。
ジョブ型雇用は「仕事・仕事場・仕事時間が限られる」雇用のスタイルなのに対し、メンバーシップ型雇用は「仕事・仕事場・仕事時間が限られない」雇用のスタイルです。
ジョブ型雇用は「仕事に人を割り振る」のですが、メンバーシップ型雇用では「人に仕事を割り振る」ので、逆ですね。
ジョブ型雇用は海外によくありますが、メンバーシップ型雇用は、別名「日本型雇用」と呼ばれるくらい日本では浸透しているのです。
メンバーシップ型雇用では、新卒の学生を一度に採用・教育(研修)して、定年退職するまでずっと働いてくれる事を前提として実施されてきました。
このやり方で文字通り「新卒一括採用」「終身雇用」「年功序列」が、続けられてきました。
近年では、海外との競争に備えるために新たに専門的な人材が必要になったり、生活状況によって働き方を変えようと考える労働者も増えてきたので、終身雇用だけが企業や労働者にとっていい方法とは言い切れなくなってきています。
企業が労働者を教育するだけでなく、労働者自身も自らの能力を向上させる必要があって、企業もそんな能力ある労働者を生かすことのできる雇用スタイルを用意する必要があります。
ジョブ型雇用では、そういった問題に柔軟に対応できるのです。
ジョブ型雇用はこれからどうなる?ジョブ型採用!
ジョブ型雇用は、従来のメンバーシップ型雇用と対義語である位に、従来の日本の雇用スタイルとやり方が違うために、人事の仕組みを大幅に改革しなければなかなか実現が難しい様です。
昔から最近まで長年ずっと続いたやり方を変えるのは、大変ですね。
新しいことを始めるのは、企業にも採用される労働者にとっても大きな挑戦やリスクが伴います。
そこで、ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用の間をとるような形で「ジョブ型採用」という方法が登場しています。
これは、ジョブ型雇用の「募集する際に仕事内容を知らせる」という手法を利用しています。
就職を希望する人にあらかじめ仕事内容を知らせることによって、企業はその仕事に就いてみたい希望者を確実に集める事ができます。
求職者も「入社してから何の仕事をするのかわからない」という不安を持たずに済み、将来どの様な社会人になりたいか具体的に考え、自らのスキルを磨く事ができます。
日本人の働き方を新しく変えたいから今までのままではいけないけれど、急には転換できないジョブ型雇用は、ジョブ型採用という方法で新しい働き方が広がりそうです。
まとめ
多くの人々がたどってきた終身雇用などの制度が正しく機能していたメンバーシップ型雇用中心の時代から、新しい働き方を多様な人々と共有するジョブ型雇用に移り変わるには、まだまだ時間がかかりそうですね。
変化する時代に対応するために、働く人はいつもスキルを磨き続けるのは大変ですが、生活に合った働き方を選べるのは老若男女全ての人に魅力的だと思います。
働きたい方法で、多くの人が輝ける社会になると良いですね。