レトロ自販機にホットサンド?ブームとメーカーについて!
あなたはレトロ自販機を知っていますか?
2015年にNHKの「ドキュメント72時間」でうどん・そばのレトロ自販機が取り上げられて話題になっていましたね。
番組で取り上げられた秋田のお店は閉店してしまいましたが、レトロ自販機の希少さから、新たに注目を浴びています。
レトロと呼ばれているというのは、一体どれくらい前の自販機の事なのでしょうか?
食品の自販機のようですが、うどん・そば以外にどんな商品が販売されているのか?すごく気になりますよね。
そんなレトロ自販機についての知らなかった!について詳しくご紹介していきましょう。
レトロ自販機にホットサンドがあるって本当?熱々です!
レトロ自販機で販売されている食品には、うどんとそば以外にハンバーガー・トーストサンド・弁当・かき氷・カレーライス・みそ汁などがあります。
レトロ自販機で販売しているホットサンドは、「トーストサンド」という自販機で手に入れられる事がわかりました。
自販機本体の色もどこかくすんでいて、昔の写真でも眺めているような気分になります。
正面には「こんがり焼いて40秒 COFFEEといっしょにどうぞ」と気の利いた言葉が書かれたプレートがついている自販機もありました。
このトーストサンドには中にはさんである具には、いくつか種類があって「チーズ」「ハム」「チーズハム」「コンビーフ」、なんと!「あんこ」もあって様々です。
お金を入れて、メニューボタンを押して、少し待つと…ホイルに包まれたホットサンドが出てきます。
「こんがり」焼くから、出来たてはとても熱いそうなので、取り出すときはご注意!
自販機を管理しているオーナーが言うには、自販機の中の食品を生産する業者はすでに無くなってしまったので、中身を自社で作って補充しているのだそうです。
商品を買って手に入れる時は無人ですが、その裏では人が一つずつ手作りしているという、なんとも温かみのある自販機ですねぇ。
トーストサンド以外にも「ニューヨーカーサンド」なんて気取った名前のホットサンドもあって、こちらはナン(インドカレーと食べる平たいパン)のような生地に唐揚げとポテトがはさまれているのだそうです。
レトロ自販機ブームなの?大人も夢中!
レトロ自販機は、まだコンビニが一般的でなかった昭和50年代前後(1970年代〜)に食品自動調理販売機として登場し、トーストサンド以外にもうどんやハンバーガーなどの軽食を提供していました。
当時は、こういった自販機だけの「オートスナック」と言われた場所が日本各地の道路脇に多数存在していたんです。
時が経ち、深夜でも営業しているコンビニの台頭と共に衰退していきました。
ところが、2010年代からじわじわと昭和ブームが起こっているようなんです。
例えば、同じ自販機でも小型ですが昭和時代に人気だった「ルーレット式おみくじ器」は、2000年ごろには新たな注文は途絶えてしまっていました。
ところが2013年度のNHKのドラマ「あまちゃん」にルーレット式おみくじ器が登場したことがきっかけで、ここ数年の注文数は徐々に伸びてきて、売り上げの半数は個人客が占めているんです。
自販機だけでなく、温泉街などに残っているような旧式の手で玉を乗せて打つタイプのパチンコや「スマートボール」も、若者にとって新鮮に感じられるようで人気が出てきているそうです。
若者たちにとってこれら昭和を感じるレトロな物たちは、言葉には言い表せない素敵だ、と言う感情を表す「エモい」、インスタグラムなどSNS投稿する写真としてピッタリ!と感じ「バエる」といった高評価を与えられています。
そんなわけで、レトロ自販機は若い人たちには自動で食べ物が出てくる事がとても新鮮に感じるようで人気が出てきました。
また、子ども時代にレトロ自販機の食べ物に憧れながらも自由に購入できなかった「昔の子どもたち」である大人も、懐かしさから夢中になっている様子で、世代を問わず人気の様子です。
レトロ自販機のメーカーって?支える人の熱意が!
まずは製造された当時のメーカーをご紹介します。
- ハンバーガー自販機:星崎電気(ホシザキ)製造でOEM(相手先ブランド名製造)で富士電気が販売
- トーストサンドイッチ(トーストサンド)自販機:西ドイツのヘス社の特許実施権を取得の太平洋工業設計で製造
- 麺類自販機:富士電気、川鉄(JFE)、シャープ
- 弁当自販機:津上(ツガミ)
- かき氷自販機:星崎電気(ホシザキ)
- カレーライス自販機:川鉄(JFE)、ボンカレー自販機はサンデン製造
- みそ汁自販機:クボタ
業務用冷蔵庫で有名なホシザキや家電メーカーのシャープ、産業機械のクボタはすぐにわかりますよね、みなさんは他に知っている製造会社はありましたか?
これだけたくさんのメーカーが製造したにも関わらず、年月が経ってこのジャンルを撤退してしまったメーカーばかりで、現在レトロ自販機のメンテナンスは製造会社が行ってはいません。
当時主流だった富士電気や太平洋工業としても、製造できる人や設備がないから新たにレトロ自販機を製造することはできないのだそうです。
そのため故障してしまったら廃棄されてしまうレトロ自販機が大半で、今残されている機械というのは、古くて使用できなかった自販機から取り出した部品を再利用したり、修理する人が自ら部品を手作りするなど、涙ぐましい努力の末に販売が継続できているのです。
しかも修理する人が自販機が新品の時代からのお客さん(もちろん機械の知識のある人)とか、自販機のオーナー同士が交流して修理に臨んでいるそうで、レトロ自販機を存続したいという人達の熱意で成り立っているのです!
まとめ
レトロ自販機で販売されている食品は、お店で出される食べ物とは違う雰囲気でなんだかワクワクがいっぱい詰まっていて魅力的ですね。
レトロ自販機はどこに設置されているかというと、東北の日本海側、北関東や四国・中国地方に集中していて、西は麺類が多くて、東はハンバーガー、トーストサンド、弁当など種類が多いです。
北海道や九州ではほぼ無くなってしまった様子です。
ところが、自販機が途絶えていた北海道にもクラウドファウンディングで集めた資金で設置を進めているという情報があるんです!
こんなにも人々のレトロ自販機愛が高まっているなら、再び機械が製造されたらいいのになぁと願ってしまいました。