パインアメにはパイン果汁が?穴の理由は?演奏できるの?
子どもだけでなく、親世代や祖父母世代までもが知っているお菓子はいくつもありますね。
ティーン向け雑誌の「なんでもランキング」アメ部門ランキング1位に輝いたパインアメもその中の一つではないでしょうか?
パイナップルの輪切りの形そっくりに表面にギザギザ穴の開いたコロンと丸い形が可愛らしいです。
「パイン」と名がつくだけあって、本当にパイン果汁が入っているのでしょうか?
パインアメに穴が開いているのには理由があるのを知っていますか?
そんなパインアメについて詳しくご紹介します!
パインアメにはパイン果汁が入っている?もちろんです!
アメやジュースには果物味と書いてあっても、それほど果汁が入っていなかったりするものがありますよね。
アメは、ほとんど砂糖と水飴からできているので、仕方ないのかもしれません。
では、パインアメは果汁を使用しているのでしょうか?
製造しているパイン株式会社のサイトに「おいしさの秘密」として、パイナップル果汁をパインアメに使用していると説明が書かれています。
パイナップルは、沖縄やハワイ、フィリピンで栽培されていますが、色々な産地のパイナップル果汁を味わった上でパインアメにふさわしい味の果汁を選んでいるのだそうです。
「パインアメ」らしさを、どうやって再現しようと考えたのでしょうか?
どこにも正解がない中でさまざまな果汁を試している、パインアメの作り手の皆さんの情熱を感じますね…。
形だけでなく、味も本物だったとわかったら今すぐ食べてみたくなってしまいました!
もちろんパイナップル果汁だけ入っているのではなく、パイナップルらしい甘酸っぱさを出すために酸味料(クエン酸)も使われています。
他にも、数多く存在するパイナップル香料の中から選りすぐりの香料を使用していたり、味をまろやかにするために脱脂粉乳も入っているんですよ。
おいしい材料と良い香りが相まって、このようにリアルなパインアメが出来上がっているのです。
パインアメの穴って理由があるの?こだわりの結果!
1951年にパインアメ第一号が登場したのは戦後の物がない頃でした。
生のパイナップルどころか、缶詰のパイナップルでさえも庶民には手に入りにくかったという時代背景があったのです。
そんなパイン缶のおいしさをみんなが手軽に味わってもらいたいという思いから一粒1円のパインアメ(当時はパイナップル飴)が誕生しました。
実はパインアメ第一号だった商品には、穴がなかったのです。
どんな形だったかというと、平べったいアメの表面にパイナップルの模様を型押しした形だったのだそうで、「パイナップル飴」という名称で売り出されたのです。
もちろんそのままでも美味しくて人気だったようですが、「パイン缶のおいしさ」にこだわった先代社長がパイン缶に入っているパイナップルのように「穴あき」型のアメにしようと、現在のパインアメの形を追求していくのでした。
初めは、割り箸で円形のアメを突いて穴を開けたのだそうです。
たくさんのアメを製造している場面を想像して、なんだか気が遠くなってきました…。
1953年になって、ようやく自動キャンディ穴開け機が完成して、現在のパインアメのもとの形が作られるようになりました。
パイン缶の味と形に近づけようとこだわり抜いた末に、穴あき「パインアメ」が出来上がりました!
パインアメで演奏できるってホント?実際に演奏してみた!
大体、穴の開いた食べ物は誰かが演奏してみているのではないでしょうか?
皆さんの中には、ちくわをリコーダーのように演奏している人が、TVで出演しているのをどこかで見た事があるかもしれませんね。
パインアメの形と、吹いたら音の鳴ることで知られているお菓子の「フエラムネ」の形が似ていることから、もしかして音を鳴らそうと思った人はいませんか?
思っているだけでなく、パインアメの製造元であるパイン株式会社公式サイトで演奏についての記事とツイッター投稿がありました。
事の発端は2017年、少し前まではパイン株式会社自らが「パインアメは吹いても鳴らないのです。」と公表していたのですが、「オーケストラな方々なら…鳴らせるかも」といった内容のツイートをしたのです。
オーケストラの中でも特に管楽器の人は、身近な物をなんでも吹いて鳴らしたがっているので、これは飛びつくでしょう!
やはり、いくつかのオーケストラや吹奏楽団の楽団員がそれに反応して「#パインアメチャレンジ」と称してパインアメを鳴らす挑戦をしたのです。
すると、全員が鳴らすまでには至りませんでしたが、全国各地の音楽家の皆さんがパインアメを鳴らす事ができました!
すごい人は音階まで鳴らせていたんです。
2019年にはパイン株式会社の社員が直接オーケストラ・仙台フィルの本拠地まで出向いて、楽団員のパインアメを鳴らした音色がツイートされています。
子どものような無邪気さも持ち合わせながら、パインアメを片手に大真面目に取り組む大人たちが面白いですね。
まとめ
みんな大好きなパインアメは、どのエピソードもあまりにも興味深い内容だったので、今度配り歩く時には、周りの人にこの面白さを伝えたくなってしまいました。
戦後の食べ物に困った時代から、みんなに美味しさを提供しようと奔走したパインアメの先代の社長さん。
現在はツイッターのようなSNSを使いながら、パインアメでより多くの人と楽しくつながろうと企画している現代のパイン株式会社のみなさん。
時代は違っても、パインアメを通して消費者の「おいしい」「うれしい」「たのしい」気持ちに寄り添ってくれている事には変わりはありませんね。