梵鐘の意味と読み方や製造最王手はどこ?作り方はどう作っているの?
梵鐘は「ぼんしょう」と読み、お寺で吊り下げられている鐘のことを指しています。
梵鐘の意味には清らかな鐘という意味があり、鳴らすごとに人々を苦痛から解き放つという効能を持っているとされています。
そんな梵鐘を作っている最王手企業は富山にある「老師製作所」です。
ここは広島の平和の鐘や国連にある鐘も作っている、と言われるとその凄さがすぐわかりますよね。
梵鐘の作り方は2つの鋳型を使って鐘の形の隙間を作り、その中に溶かした金属を流し込んで固めることで作られています。
普段何気なく音を聞き、眺めているだけの梵鐘ですが、梵鐘のことを知って新たな魅力を追求していきましょう!
梵鐘の意味や読み方は?
梵鐘は「ぼんしょう」と読み、お寺にある鐘楼(しょうろう)と言われる場所に吊り下げて、撞木(しゅもく)という大きな木の道具で突いて鳴らす鐘の一種です。
朝夕の決まった時間に鳴らすほか、大晦日に除夜の鐘として鳴らされることもある鐘ですね。
仏教の中では法事などのイベントの前にも鳴らされており、単に鐘を時報などの意味を兼ねて鳴らしているだけでなく、鐘の音には様々な苦痛から解き放たれて悟りを得ることができる効果があると言われています。
そのためか一昔前までは特に問題なく梵鐘を鳴らしていたのですが、数年前から音がうるさいなどの苦情が徐々に寄せられるようになり、鐘を鳴らさないお寺さんも増えてきたんですって。
しかし梵鐘の梵という言葉は煩悩などとは関係なく、清らかなものや神聖であるものという意味がありますので、この鐘の音が人々を様々な苦痛から解き放つ、という力があるというのも納得できるだけに、これは少し残念という人もいます。
さて梵鐘の歴史は古く、最古の時代では奈良時代からあるとされる梵鐘はすべて国宝や重要文化財として国から指定されています。
すごいのはこの梵鐘を宗教の道具として使用するだけでなく、音楽の中に組み込んだ曲や、鐘を人の声で作り出そうとしている曲もあることです。
あれだけの大きい梵鐘を公衆の場で表現として使用しようとする表現力や限界への追求のしかたにもびっくりしてしまいますね。
梵鐘製造最大手ってどこ?
梵鐘製造の最王手は富山県の高岡市にある「老子製作所」(おいごせいさくしょ)という会社です。
2021年6月に民事再生申請を行なっているため、記憶の片隅に残っている言う人も少なくないのではないでしょうか。
これがどれくらい大事件なのか、というと、老子製作者が製造した鐘には国連の鐘や、広島と沖縄にある「平和の鐘」といった、歴史的に重要な場所を司っている鐘類も存在しているということでしょうか。
更に日本中にある梵鐘の、実に7割の梵鐘が老子製作所にて製造されているとのことなので、日本にある梵鐘のほとんどといっても過言ではありません。
実は老子製作所は他にもお寺の中にある鋳物仏具と言われる天水鉢、香炉なども作っているため、それらを加えると、日本にあるほとんどのお寺さんは老子製作所に頼っている状況なのです。
バブルの頃はお寺さんも多く出てきたため、1991年には12億以上という売上を出していたのですが、やはり景気が悪くなるにつれてどんどんとお寺さんが建てられることも少なくなったことから、仏具(梵鐘を含む)の需要は徐々に減っていきました。
現在では売上は3億となるため、4分の1にまで売上が減ったことになり、かなりのダメージを受けていることになります。
梵鐘の作り方はどう作っている?
梵鐘の作り方ですが、様々な鐘製造を見ていくと、1つの共通した作成方法に気が付きます。
それは型を2つ用意し、この2つの型を重ねた時につくりたい鐘の隙間をあらかじめ作っておくという方法です。
この隙間の中に溶かした金属を流し込むことで鐘を製造することができますよね。
しかしながら時代がどんどんと進んでいくにつれて鐘の形や文様が複雑になっていくため、何十何百という数の鐘を数日で作れるようになるということはまずありえません。
また工場や用途によっては鐘に魂を入れる工程として、読経するお坊さんを呼んで作業を行うこともあるんですって。
すごいのは少しでも隙間がずれて鐘の厚みが変わってしまうと、音にも変化が見られ、お腹に響くような重みのある音が出なくなってしまうということ。
こういった細かい部分に気を使いながら、1つ1つ慎重に梵鐘が作られているのです。
更に鐘の形には、人の煩悩の数である108の突起物などの装飾も施していくことになります。
既に金型を作るところから細かい製造過程がよく分かる様になっていますよね。
梵鐘にもサイズが有り、小さいものはお手軽に一般人でも購入できるものから、かなり大きいお寺さんで使うことが予想されるほど大きい梵鐘も存在しています。
これらの様々な大きさを持った梵鐘を作っているのですから、非常に手間と時間がかかる作業を、更に慎重に行うことがわかります。
まとめ
梵鐘は「ぼんしょう」と読み、重厚な音を聞いた人々は苦しみから開放され、悟りに近づくものであるとされています。
そんな梵鐘の7割を製造している老子製作所ですが、近年民事再生申請をしており、将来の日本の文化が少しずつ変わっていくようにも思えてしまいます。
梵鐘を作るにはかなりの手間がかけられており、鐘の金属の厚みなど目測だけではうまく見定めることができないものも多々あります。
そのため短期間で大量生産することができない技術が多く使われており、鋳物を思い通りに作るにはかなりの時間がかかってしまうのです。
これからの見通しが難しい梵鐘製造、日本の文化の1つでもある梵鐘ですから、果たしてこれからどの様に活路を見出すのか気になりますね。