アカウミガメの生息地日本ではどこ?寿命や食べ物もご紹介!
環境省のレッドリストで絶滅危惧種としてその名前があがっているアカウミガメ。
リストのランクでは、「近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの」と定められていて、緊急ではないけれども注意して見守っていかなくてはいけない生き物なのです。
アカウミガメは日本にも産卵にやって来ます。
ところが、環境の変化などによって産卵地が減って来ているようなのです。
この危機に、各地の市民達がモニタリングを行うなどしてアカウミガメを見守って来ました。
そんなアカウミガメはいったい何年生きることができるのでしょうか?
また、何を食べているのでしょうか?
アカウミガメについて詳しくご紹介します。
アカウミガメの生息地って日本ではどこなの?温かい所に多い!
世界でのアカウミガメの生息地は、温帯〜亜熱帯の海にあり、大西洋・太平洋・インド洋・地中海に広がっています。
生息地の中でもアカウミガメの繁殖地に関しては北太平洋では、ほぼ日本だけなのです。
「ほぼ」と書いたのは、お隣・韓国の南の島である済州島でも産卵が確認できた事があった為です。
繁殖地というのは生息地であり、なおかつ繁殖期に使う場所の事です。
繁殖期はアカウミガメは産卵するのですが、日本では太平洋側だと、宮城県山元町より南、日本海側だと能登半島より南で産卵され、太平洋沿岸に多くみられます。
温かい所で育つ事が多く、特に鹿児島県(屋久島)・宮崎県(日南海岸)・和歌山県南部・静岡県や愛知県と三重県の海域(遠州灘)で産卵されます。
定置網による影響で間違って捕獲されたり、海岸が人工的に作り変えられてしまった為にかつては産卵地だった所にアカウミガメが産卵できなくなってしまった例も多数あり、アカウミガメの産卵地が減少しています。
そのため各地でアカウミガメの産卵地を守ろうと上陸と産卵数の観察や監視が行われていたり、徳島県の海部郡美波町や静岡県御前崎市では国の天然記念物に指定されています。
他には、熊本県・徳島県・愛知県で指定希少野生動植物種に指定されています。
アカウミガメは日本で生まれてから海流に乗ってメキシコ沖まで移動します。
随分と遠くまで移動するのですね!
大人になる少し前に日本の近くまで戻ってきて、大人になってからは日本の沿岸や東シナ海で暮らすのです。
アカウミガメの寿命はどのくらい?けっこう長生き!
アカウミガメの寿命の寿命を調べる為には、腕の骨の断面に現れる年輪を調べなくてはいけません。
個体の大きさも個人差があるので、大きさだけでは年齢がわかりません。
骨の年輪は外見からでは見えないので、アカウミガメが死んでから解剖して調べないと年齢がわかりません。
野生で見つかった中でも大きいアカウミガメの年齢を調べたら60歳位だったという情報もありますが、ナショナルジオグラフィック日本版のサイトをみると、寿命が70〜80年位ではないかと推定されていました。
日本で知られている御長寿アカウミガメと言えば、徳島・美波町にある日和佐うみがめ博物館カレッタで飼育されている、1950年生まれの「浜太郎」が71歳になったと報じられていました。
当時この博物館の近くにある日和佐中学校の生徒たちが、ウミガメたちが酷い目にあっている現状に心を痛めていました。
1950年から「ウミガメを保護するために、ウミガメの事を知らなくては」と中学生達が始めた生態研究の中で、孵化させたウミガメの中で特に長生きできたのが、このアカウミガメの浜太郎なんです。
だから骨を調べなくても、生まれた年まではっきりわかっているのです!
アカウミガメの寿命は見た目だけではわかりませんが、脊椎動物の中では最も長生きと言われているカメの一種にふさわしい寿命のようです。
アカウミガメの食べ物は何?色々食べます!
アカウミガメは雑食で、海藻のような植物だけでなくエビやカニといった動物も食べます。
名前が似ているアオウミガメは、同じように雑食性なのですがほとんど植物だけを食べているので、同じカメという名前が付いていても随分と食べるものが違うようです。
他にウミガメの仲間にはタイマイ・オサガメなどがいますが、タイマイは主に海綿類を食べ、オサガメはクラゲ類を選んで食べているようです。
ウミガメ達は違う食べ物をそれぞれ食べることによって、海の食べ物を上手に分け合っているのですね。
アカウミガメが食べているものが調査されていて、それがどんなものか詳しくお伝えすると、ソデガイ・バイ(巻き貝)・オオシャコガイ・コウイカ類・エボシガイ・クラゲノミ類・十脚目(エビ目)・タコノマクラ・海綿動物・魚類・カツオノエボシ・ホンダワラ(海藻)・アマモ(海草)と、バラエティー豊かです。
これだけ多くの種類の食べ物を、アカウミガメはどのようにして見つけるのでしょうか?
水深が深い海にいる場合は漂っている生き物を捕まえるそうです。
沿岸にいる時には主に無脊柱動物を食べていると考えられていて、海底で食べ物を探す時は前脚で海の泥や砂をさらって、そこからびっくりして出てきた食べ物を捕るのだそうです。
まとめ
アカウミガメは、現代の環境では生息地が減ってしまう危機もあるのですが、多くの人たちが環境保全活動に熱心に取り組んでいるおかげで今でも日本で産卵を続けることができるのですね。
長生きするとはいわれていますが、ウミガメの赤ちゃんの生存確率は5,000分の1といわれているので、アカウミガメが長寿を全うするとなるとかなり貴重な存在であると言えますね。