エスカレーター条例はいつから?右左の理由と上司へのマナーは?
エスカレーターは、交通機関の移動中や商業施設に、当たり前のように存在していますね。
でもエスカレーターは、乗り方によっては事故が起こってしまうので注意が必要で、注意を促すアナウンスもよく聞きます。
2021年に入ってからはなんと、その事故を少しでも減らす目的で埼玉県にエスカレーターに関する条例ができました!
ところで、エスカレーターに乗る時、あなたは右側左側どちらに立ちますか?
どちら側に立つかという事に様々な理由があったのは知っていますか?
そんなエスカレーターについての知らなかった!について詳しくご紹介していきましょう。
エスカレーター条例っていつからなの?埼玉県で初!
エスカレーター条例は、2021年3月26日に埼玉県議会の本会議で条例案が可決され、周知期間の後に2021年10月1日から施行されました。
このようなエスカレーターの乗り方に関する条例は、全国初です!
条例とは、地方自治体などの公共団体がその自治権を基に主体的に法律を制定する事なので、「地域限定の決まり事」のようなものです。
これは「埼玉県エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」なので、全国規模で決まったわけではなく、埼玉県内だけで有効です。
埼玉県内でエスカレーターに乗る時は、歩いて移動せずに立ち止まらなくてはいけません。
またエスカレーターの管理者は、利用者に立ち止まって乗るように伝える事を求められます。
これには罰則・罰金がないので、立ち止まる事はあくまでも努力義務です。
なぜこの条例ができたのかというと、歩行などが原因のエスカレーター事故は、日本エレベーター協会の2018年1月〜2019年12月の調査では805件も起きているという現実があるからです。
エスカレーターは歩きながら乗ることは想定されていないので、エレベーター協会からも乗ったら歩かずに手すりにつかまることを呼びかけてはいたのだそうです。
この条例は、エスカレーターの歩行での事故を防ぐために作られたので、埼玉県でエスカレーター事故が減ったというような効果があれば、他の自治体にも同じような条例が作られるかもしれませんね。
エスカレーターで右左どっち?その理由って何?
エスカレーターに乗る位置が東西で違うことはよく取り上げられていますが、それは何か理由があるのでしょうか?
1914年に日本橋の三越呉服店に初めて設置された頃は、ただただ階段を登らなくても楽に上の階に行くことのできる便利な機械だったので、急いでいる人のために片側を空けるといった配慮は必要なかったようです。
通路を空けるようになったのは、忙しく時間に追われるようになった高度経済成長期になってからのようです。
東京では、江戸時代の武士が刀を左の腰に差していた為、左側が他人にぶつかってしまわないように配慮していた名残から、エスカレーターも左側に立つようになったそうです。
大阪では、阪急梅田駅の3階乗り場まで続く長いエスカレーターができた当時「お歩きになる方のために左側をお開けください」と、右側に立つように促すアナウンスがあったのです。
そのアナウンスが発せられたのも、どちら側に立つのか調べてみたら、右利きの人が多く右側に立って手すりを持つ人が多いからという理由だったという説があります。
また、1970年の大阪万博の頃、海外からのお客さんを想定してヨーロッパで右側に立つ慣習にならって、そこから大阪では右側に立つことが多くなっていったとも言われています。
大阪は今では右側に立つ人が多くなっていますが、唯一大阪の中でも新幹線の新大阪駅におりた直後のエスカレーターには関西以外からの乗客がいるので左側に立っている人が多いそうです。
その後乗り換えで新大阪駅で地下鉄やJRに乗り換えるエスカレーターでは、大阪の右側ルールにスッと溶け込んで右側に寄る人が多いんです。
今ではエスカレーターに乗る人たちは、自然に臨機応変に道を空けて、急いでいる人に道を譲っているのです。
エスカレーターで上司へのマナーは?ここが大切!
一人で乗るときは左右どちらかに乗ることだけ気をつけたら良いのですが、上司や目上の人と一緒にエスカレーターに乗るときのマナーは知っていますか?
えぇ〜?どっちかなぁ?と焦ってしまったあなたも安心してください!昇る時と降りる時で、立ち位置が変わるということもご紹介します。
それではどのような立ち位置が良いかというと、エスカレーターの進行方向で上司の目線よりも常に下側になるように乗ると良いのです。
エスカレーターが昇る際には、上司の後ろについて乗る、降りる時は「お先に失礼します」と声かけをしてから、上司より前に進み出て先に乗るのです。
漠然と部下が下側に位置を確保するのはわかりますが、うろ覚えにならないためにもしっかり理解してもらいたいのは、上司を見下ろさないようにするためと、万が一転倒した際に上司を支える事ができるという安全上の配慮のためなのです。
これで、どんな時も慌てずに大切な上司や目上の人を行動でも敬う事ができ、スマートに誘導できるので安心です!
安全上の配慮という点では、身体機能が衰えてきたお年寄りや、歩けるようになったばかりの小さなお子さんにも使える方法ですね。
まとめ
エスカレーターは人々が移動しやすくするために作られた便利な機械です。
急いでばかりではなく、安全に、快適に利用できるように心がけたいですよね。
ある調査では、「エスカレーター右側派」が多いのは関西だけで、他の地域では半数以上が「エスカレーター左側派」なので、実は関西では常識である右側派は全国では少数だったのです。
だんだん関西にも左側派が増えていったりして…!
これから、もしも多くの地域で安全のためにエスカレーターが歩行禁止になっていったとしたら、右側・左側といった立ち位置にも変化があるのでしょうか?
エスカレーターの常識が時代とともに変わる様子に注目したいですね。